市況が変わっても、やることは変わらない

ここ20年ほどで、商売を取り巻く環境は大きく変わりました。

 

消費税増税、リーマンショック後の低成長、コロナ禍、巣ごもり需要、そしてコロナバブルの崩壊。さらに近年は、原材料費・人件費・物流費・広告費の上昇が続いています。中小企業庁も、物価高・人手不足・価格転嫁を中小企業の大きな経営課題として挙げています。

 

EC市場だけを見ると、コロナ禍をきっかけにネット販売は一気に広がりました。2024年の日本のBtoC-EC市場規模は26.1兆円、物販系ECだけでも15.2兆円まで拡大しています。

 

しかし、伸びている市場だからといって、誰でも簡単に儲かる時代ではありません。

 

一時期は、コロナによる巣ごもり需要で「出せば売れる」「広告を打てば売れる」ように見えた時期もありました。けれど、その需要が落ち着くと、広告費は上がり、価格競争は激しくなり、在庫や固定費だけが重くのしかかるようになりました。

 

消費税増税の時も同じです。2014年の増税時には駆け込み需要と反動減があり、2019年の増税時にも景況感は大きく低下しました。

 

つまり、商売には常に波があります。

 

良い時は売れすぎて判断を誤り、悪い時は焦って安売りに走る。

しかし本当に大切なことは、好景気でも不景気でも大きく変わりません。

 

それは、

  • お客様が本当に求めているものを知る
  • 商品の価値を正しく伝える
  • 適正な価格で売る
  • 無理な安売りをしない
  • 固定客との関係を育てる
  • 数字を見て改善を続ける

という、当たり前の積み重ねです。

 

市況が良い時ほど、売れている理由を冷静に見る必要があります。

市況が悪い時ほど、なぜ選ばれないのかを丁寧に見直す必要があります。

 

「時代が悪いから売れない」だけではありません。

「時代が良いから売れた」だけでもありません。

 

結局、長く残る商売は、市況に振り回されながらも、やるべきことを淡々と続けています。

  • 商品を見直す
  • 写真を見直す
  • 説明文を見直す
  • 価格を見直す
  • お客様の声を読む
  • 競合を調べる
  • 必要な情報を足す
  • 信頼される発信を続ける

派手な裏技ではなく、地味な改善の積み重ねです。

 

これからの時代に必要なのは、バブルに乗る商売ではなく、波が引いた後にも残る商売です。

 

良い時も、悪い時も、やることは変わらない。

お客様に向き合い、価値を磨き、伝え続ける。

 

それが、EC運営にとって、最も強い危機の乗り越え方だと考えています。

 

そして実際に、長く事業を続けているお客様ほど、景気や流行に振り回されにくい土台を持っています。

私たちが過去にお客様へお伝えしてきたのは、

  • 無理な値下げを続けないこと
  • 広告だけに依存しないこと
  • 商品ページを育て続けること
  • リピーターを大切にすること
  • 「誰に売るのか」を曖昧にしないこと
  • 一時的なブームに全振りしないこと

といった、決して派手ではない内容です。

しかし、市況が悪くなった時ほど、その積み重ねの差が大きく出ます。

 

実際にお客様からは、

「あの時、言われた通りに商品ページを改善しておいて良かった」

「広告だけに頼らず、SNSやリピーター対策をやっていたので助かった」

「値下げ競争を避けていたから、利益が残った」

「コロナ後の反動でも、固定のお客様が残ってくれた」

といった声をいただくことがあります。

 

逆に、市場が良い時に、

  • とにかく広告
  • とにかく安売り
  • とにかく商品数
  • とにかくモール依存

で拡大していた会社ほど、市況変化に耐えられなくなるケースも少なくありません。

 

実際に、

「ライバル会社は、流行や広告単価の変化に翻弄されてしまった」

「売上は大きかったのに、利益が残っていなかった」

「価格競争から抜けられず、疲弊していった」

という話も、この数年で数多く見てきました。

 

もちろん、未来を完璧に予測することはできません。

しかし、どんな時代でも共通しているのは、“本当に価値のあるものを、きちんと伝え、信頼を積み重ねてきた会社は強い”ということです。

 

景気の波は、必ずまた来ます。

だからこそ重要なのは、「今だけ売る」ではなく、“5年後、10年後も続けられる商売”を作ること。

 

そのために必要なのは、特別な裏技ではなく、地道な改善と、お客様に向き合い続ける姿勢なのだと思います。

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